どうも、トントンです。今回は、病院の診療体制について解説して行きたいと思います。前提として、主に医師体制についてのお話をしていきます。
記事を読んでいただく事により、
- 病院ホームページに載っている診療科目について、注意するポイントがわかります。
- 特に入院医療について、病院選びの参考になります。
標榜している診療科目とは
標榜科目とは、わかりやすく言ってしまえば、病院の診療科目です。
例えば、○○病院のホームページに診療科目として、「整形外科、リハビリテーション科」や「内科、消化器内科」など記載されているものの事です。
原則、自由標榜制
現在の日本の制度では、診療科目について自由標榜制となっています。つまり、医師免許を持っていれば、どの診療科目でも標榜できるという事です。ただし、「麻酔科」と「歯科」はこの限りではありません。
特に、「麻酔科」を標榜するには、麻酔科標榜医の資格を取らなければならず、「麻酔科」については、どの医師でも標榜できる診療科目ではありません。海外では、「麻酔科医」はかなりのステータスとなっている国もあります。
この制度の中では、極端な話をしてしまえば、元々「皮膚科」の医師が「産婦人科」を標榜する事が出来るという事です。
ただ現実的には、元々「整形外科」や「脳神経外科」の医師がメスを置き「リハビリテーション科」に転科するなど、専門を活かした診療科目に変更されるケースが多いです。
厚生労働省通知では、広告の表示について、医師1人につき「主たる診療科名」と他の診療科名を区別して表記することが望ましいとしながらも、実際はそのように行なっている病院は、ほとんど無い状況かと思います。
一般的なクリニック・診療所で院長先生お一人の医師体制で行っている所で、かなり多くの診療科目が記載されている場合がありますが、この場合どの診療科目が専門なのか、区別をつける事が難しいです。
しかしながら、こういったクリニックの先生はほとんど全ての診療科目を網羅して診療を行わなければならないので、かなりの研鑽を積んでおられ、本当に頭が下がる思いです。
もちろん、専門外・守備範囲外の症例・症状の患者さんは、しっかりと診療した上で、より専門性の高い大きな病院へ紹介をして頂けますので、一般的な症状であれば、安心して診療を受けられて問題ないです。
入院医療における診療科目
クリニック・診療所に標榜されている診療科目については、院長先生がかなりの自己研鑽の後に幅広く実際に診療しているのに対して、入院については、標榜しているからと言って、必ずしも患者さんの病状にあった専門の診療科の先生が、実際に入院患者さんを診療するとは限りません。
例)
- 脳梗塞倒れ入院 → 回復期・慢性期病院の主治医は、一般内科医師
- 転倒して骨折 → 回復期・慢性期病院の主治医は、循環器医師
※ここでいう入院医療とは、命を助ける・主に手術をする急性期以外の病院(つまり回復期・慢性期)のことを指す事とします。病院機能については、以下のリンクを参考にしてください。
そもそも急性期病院では、救命救急や手術に特化する為、大きい病院ですと100名を超える医師が在職しており、当然病状に適した診療科目の先生が専門で診てくれます。
しかしながら、回復期・慢性期となるとそうはいきません。
200床未満の病院では常勤医師数が10名に満たない病院が多いと思います。中には、常勤医師が5名いない病院等もあります。
お住まいの地域にもよりますが、その中で病状に合わせた診療科目の先生に巡り合うというのは、なかなかに難しいものです。
なぜ、病状あった診療科の先生が診てくれないの?
大まかに以下2点かなと思います。
- 実は病状にあった診療科の先生は外来診察しかしていない為、入院患者さんは診ない
- 担当病棟が違った
この場合、ホームページや看板に記載されている診療科目を無闇に信じてしまうと、「こんなはずじゃなかった」という事になりかねません。
自分・家族・知人にあった診療科目の先生がいる病院どう探せばいい?
1.情報収集の仕方
回復期・慢性期に入院をされる方は、主に急性期の病院から転院される方だと思います。
この場合は、急性期の「地域医療連携室」「医療相談室」「患者サポート窓口」などに相談しましょう。※病院によって窓口の名称は多少異なります。
ここでは、周辺の連携先病院の情報を良く知っています。ここで、病状に合わせた病院をいくつか聞いてみれば、病院を紹介していただけます。
2.実際に病院に行って見学してみる
実際に行ってみる事で、診療体制や病院の雰囲気などを知ることができます。ここで、病状に合わせた診療科目の医師が実際に診察をしてくれる病棟なのかを聞いてみるのが一番だと思います。
※常勤の専門の医師が、主治医となっていただければ一番いいのですが、地域柄・病院によっては、病状にあった診療科目の先生がいない場合もあります。
おわりに
今回、ちょっとややこしい説明でした。
病院に記載されている診療科目の治療が実は受けられないかもしれない!なんて、おかしな気もするかと思いますが、現状の部分でもあります。
以上。参考になれば嬉しいです。良ければ、フォロー・シェアお願い致します。