救急車で運ばれて一命を取りとめた後、ようやく落ち着いたのも束の間、お医者さんや看護師さんから「お身体の状態が落ち着いたので、数日以内に別の病院へ転院していただきます」
嘘でしょ? 意味がわからない! 家族の気持ちも考えて!
様々な感情に襲われながら、こんな状況におかれたかたも、いらっしゃるのではないのでしょうか?
では、この問題のなぜ?を解説していきます。
そもそも、何で転院しなければいけないの?
- 端的に言うと、国が「医療法」と「医療計画」でそう決めているから
- 設備・マンパワー・ベッドの数・財源は有限であり、医療を効率的に運用する必要があるから
医療計画ってなに?
終戦後、医療機関を大量に整備する事が急務とされる中、医療水準の確保を図るため「医療法」が制定され、病院という施設の基準が整備されました。
その後、医療施設の数は全国的にほぼ整備された為、次は医療の地域での偏りと医療施設間の連携推進を目指し、昭和60年に医療計画制度が導入されました。
何をするかというと、以下3点をです。
- 各都道府県が、その地域の実情に応じて医療提供体制の確保を図る
- 医療提供の量(病床数)を管理するととに、質(医療連携。医療安全)を評価
- 医療連携の分化・連携を推進する事により地域全体で切れ目なく必要な医療の提供を推進
制度とか言われても。。。要はどういう事?
餅は餅屋に任せろって事です。
誤解を恐れずに極端な話をしてしまえば、広く深く・浅くではなく、狭く・深くという事です。
- 命を助ける病院は命を助けることだけに特化
- リハビリが得意な病院はリハビリに特化
- 看取りが得意な病院は看取りに特化
なので、「守備範囲が終わったら、次の病院へバトンを渡していくような連携をして行きなさい」という事なのです。
仮にどの病院も同じ、全ての患者さんを診る医療をするとすると、1日100台救急車を受け入れする病院も、1台も救急車がこない病院も同じような環境にしなければなりません。
何十億円もするMRIや高額な手術室・機械、何人ものお医者さんを常に揃えておかなければいけないという事です。
とてもじゃないけど、全ての病院で準備はできないですね?
なので、患者さんは病状が落ち着き次第、次の役割の病院へ転院しなければならないのです。
そうは言ってもね。。。転院と言われたらどうすれば良いの?
ご安心ください!
大体の病院は、名前は多少違うことがありますが、「地域医療連携室」なるものがございます。
この地域医療連携室は、①転院先探し ②ご自宅へ帰るサポート ③医療・介護などの制度等のスペシャリストです。
主に社会福祉士という専門職の方が支援してくれます。最近は、看護師さんも地域医療連携室に配属になって入る事が増えてきているようです。
転院・退院相談に加えて医療面・看護面の相談サポートも充実してきており、安心ですね。ご不安な方は相談してみてください。
以上。今後も医療・介護系をベースとして様々な情報を発信していきたいと思います。
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